2011年07月05日

ケルンに着きました!

(バスの中で打っています)

さて、昨日はシュトゥットガルトの独日協会の方々にアテンドしていただきました。
ドイツ人の方2名来てくださり、うち1名は日本語ペラペラ。もうお一方は英語を話されます。

最初に行ったのは、日曜日ということもあり特別にカトリック教会のミサへ。中央駅から300mくらいの場所に建つ、かなり近代的な建物で、その大きさたるや圧巻の一言でした。

建物はごくシンプルで、内装もまた同じく白を基調として非常に近代的なスタイル。正面にはシャガールの絵をタイルで表現したかのようなイエス画(?)と天使たち。内部の広さは普通の体育館の一回り大きいくらいで、2階席もあり、信じられないほど大きくモダンなデザインのパイプオルガンが2階席の後ろに鎮座しています。

どう少なめに見積もっても400人はいたでしょうか。
初めて参列させていただいたこのミサには心底感動しました。何しろ音楽が素晴らしいです。特に神父さんが入場される、最初の曲には、華やかで重厚感があり、何か気分が神聖な空気で満たされるような気がしました。全体を通して感じたのは、「音楽と言葉による礼拝」ということ。

神父さんのお言葉の後には音楽が、そして合唱をしてまたお言葉、という流れで、どの曲もそれぞれ違った特長があり、独特の空気を作り出していました。

最後には500円玉くらいの丸い麩のようなパンまでいただき、それを食べて終了。1時間ちょっとの儀式でしたが、心洗われる、素晴らしい経験でした。

少しだけ感じたこと。

和辻哲郎をひきあいに出すまでもなく、その土地の気候が人間に与える影響は実際、想像以上に大きく、個性的なものだと思います。

特に、夏のヨーロッパは抜けるような青空と乾いた空気が心地よいですが、多分、冬は(行ったことがないからわかりませんが)肌を刺すような寒さと曇天、短い日照時間でしょう。そして、この風土。どこまでも続くなだらかな土地。日本のようにちょっと行けば川があり、湖があり、山があり、海がある、というわけではありません。

これは完全な想像ですが、多分、ヨーロッパにはキリスト教があったから偉大なる文化が生まれ、そしてヨーロッパにはキリスト教が必要だったのではないか、ということです。

というのも、この気候や景色を見るにつけ、何か絶対的なものが自分の中にないと、自分が押しつぶされてしまうような、圧倒的なスケールの自然があるからです。それは日本のように、変化があり、多様性もあるような物とはちがう、何か無味無感な、しかし得体のしれない大きさの自然です。

空は抜けるように青、そして山がないからか、感じる広さも想像を絶するものがあります。こんな土地に住んでいて、日本の盆栽のような箱庭的感覚は生まれようがないのかな、とも思えます。

だから逆に絶対的で、そして確固たる何かがないと、生きられない。
何故なら、そうしないと不安極まりなく、つまり人間繋げる”社会”を作り出せないという感覚。そこにはキリスト教があったから、人間が人間として生きられたのではないか。なぜ、ヨーロッパの建物がああも装飾的で、人間の顔や姿などが壁や天井、いたるところに刻まれ、描かれているのか。樹木や芝生を整然と植え、「不自然な」庭園を造るのか。それは、きっとこの人間的(というか、その上の神)な文化を作り上げないと、圧倒的な自然との線引きができないのではないかと思うのです。

日本人的な感覚では、「別に線引きする必要なんてないじゃん」「自然と人間が共生するのが日本」だろうと思います。しかし、多分この地では、それをするには大きすぎるほどの、圧倒的な自然があり、それをしないと人間的には生きられない感じがします。

(移動中のバスの中でタイプしていたので、途中までになってしまいました。シュトゥットガルトでは、他に中世の楽器博物館や中世のお店を再現した小さなマーケット、それからベンツ博物館に行きました。内容を端折ってしまってすみません!)


Posted by 泰明@西光寺 at 15:12
Comments(2)
この記事へのコメント
ユダヤ教・キリスト教がパレスチナの地で生まれたのも、やはりそういう土地と無縁だったわけではないのでしょうね。今年の秋にはそれを確かめに行く予定です。
Posted by kanegonkanegon at 2011年07月06日 09:14
>kanegon師

レスが遅くなり、大変申し訳ございませんでした。無事に帰ってきました。

そうですね。実際、本で読んだり映像で見るよりも、はるかに多くの情報が”その場にいること”で得られると思います。
実り多き旅になりますように★
Posted by 泰明@西光寺 at 2011年07月10日 14:50
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