2012年02月18日

JCとお寺の聖性と夕方の坐禅

また寒い日に逆戻りですね。

今週は何かといろんな事が起きた一週間でした。ここ数日のフラッシュバック。

***********

私の高校の同級生で、現在市議会議員として活躍されているKくんが、突然西光寺にお越し下さいました。何事かと思いきや、彼の所属しているJC(青年会議所)のお誘いでした。今回も丁重にお断りを致しました。

今回“も”と書いたのは、過去に何度もお誘いをいただいたからです。
今から書くことは決してJCの活動を批判するものでも、またその他の組織(例えばロータリーとかライオンズとか)に対してホスティリティを持つものでもありません。それに、お誘いいただいた事には大変感謝しています。

さて正直、私自身、僧侶としてこうした組織に身を置き、活動していくことに、どうしても疑問を抱かざるを得ないのです。それは何故か。

お寺が、或いは多くの宗教施設が、町の中心であったり、少なくとも周りに人々が多く住む場所に建てられているのは、“俗”というエリア(=町)の中に“聖”(=宗教施設)があることで、一般の人々やその地域に対して、直接的・或いは間接的に意味のある影響を与えるからだと私は思っているからです。

つまり、“俗の中の聖”であるからこそ、意味がある。勘違いしないで欲しいのですが、だから辺鄙な場所にあるお寺(永平寺もそうだけど)が悪いのではありません。そうではななく、市井の人に影響を与える意味は何か?、と“俗の中の聖”である一般的なお寺は考えなければいけないと思うのです。(だから“聖の中の聖”も大事ということ)

もし、仮に4年前の私だったら(当時はロータリーの青年部とも言うべき、ローターアクトに所属もしていたし)、「今の僧侶は、現代の一般的な人々の考え方や付き合い方と乖離している。これでは駄目だ。だから、一般的な組織に身を置いて、現代的な活動をし、時代に迎合するような考え方を自身、身につけなければいけない」と考えていたでしょう。実際そうだったし。

でも、それは違うという考えにシフトしてきました。結局、我々僧侶がすべきことは、世俗に迎合し、無批判に世間べったりになって、勘違いした“現代感覚”を身につけることではなく、ただ仏教を学び、実践するだけだと考えるようになりました。

その意味では、現代感覚に合っていようと、非常識だろうと、あまり関係がないのです。ただ、仏教に即しているか即していないか、というだけが問題なのです。そうかといって、反社会的になれ、というものでもありません。“社会”はこの際、関係ないのです。

また、だからといって、お寺にこもり、地域の人やお檀家さんに何もしない、というものでもありません。繰り返しますが仏教=“反社会的”でもないからです。
私が護持会の役員さんを増員したのも、遠因がここにあります。役員さんを増員することで、一般的な企画・実行・運営の考え方を、役員さん含む檀家さんで持ち込んで貰えばいい。あくまで、お寺はそれを活用する場であり、その根幹は僧侶が持つ“仏教力”であるべき、と思うからです。だから、住職が無理に世間にこびへつらうことはないし、それが出来ないからといって、だれも非難できないのです。端的に言えば、「イベントは檀家さんにおまかせ」でも良いのです。ただ、仏教を信仰した上で、そのイベントなり行事なりを運営・参加・協力してくださる檀家さんを作ることが、本当の布教であり、その原動力は常に仏教に対する信心であるべきだと考えています。

思いもよらず、長い文章になってしまいましたが、結論的には、現在の私にとって彼ら(JCやロータリーやライオンズ)のような組織は非常に意義深いし、価値も理解できるのですが、さりとて僧侶として自分が身を置く必要は全くない、むしろ、きちんと仏教を学ぶことで、そうした彼らや社会に対してきちんと表現できる・影響を与えられる、相談にのれて、仏教的に啓蒙できるような存在に成ることが第一だと思います。

JCとお寺の聖性と夕方の坐禅
昨日は昼過ぎから金子牧師さんとのギター練習。いよいよライブの日が近づいて参りました。・・・とはいえ、ちょっと練習して、ギターはおいて、すぐに四方山話に脱線(笑)牧師さんとのお話は本当に様々な気づきを与えてくれます。多謝。でも、話の内容はここには書けないようなものが多いので・・・割愛。

**************

先日、新たに西光寺の役員さんになってくださった方と、打ち合わせを兼ねてお食事をご一緒させていただきました。何の打ち合わせかと言えば、護持会企画の行事として、お寺で「太極拳講座」をしようというもの。奇しくも、この役員さんが太極拳の先生もやってらっしゃるので、是非お寺でやって欲しいとのラブコールを受けての打ち合わせです。

正直、このようにお檀家さまと一対一で飲むのは初めてのこと。なので、どこかしら変な緊張もあったことは、隠せない事実であります。
しかし、結果的にこの方の包容力あふれるお人柄のおかげで、とても楽しい時間を過ごすことができました。ありがたかった。この企画が素晴らしい実りを生むように、きちんと計画して実施したいと思います。予定では春頃に行います。

**********

先日、また「坐禅をしたい」とご連絡下さった方がお見えになりました。ありがたいことです。いつものように、ちょっと雑談をしてから本堂へ。今回はご本人の希望で、30分の坐禅を。
この時は、夕方4時半頃から座り始めたのですが、よくよく考えると、この時間帯で座ったことってあまりないかも。普段は午前中が多いし、永平寺も基本は早朝と夜7時から。
でも、この時間帯って、結構静かで、とても座りやすかった。こちらもまた一つ学びになりました。

**********

・・・思いがけず長文になってしまいました。ごめんなさい。最後までお読み頂き、ありがとうございました。



Posted by 泰明@西光寺 at 15:02
Comments(0)
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。