2011年09月02日

そんでもう一回

ちょっと脇にそれました・・・。
戻りまして、日本的な「宗教」って何か?を考えたいと思います。

日本にはご存知の通り、仏教伝来以前から神道があるわけですが、現代の私たちからすると、ずっと前から、仏教と神道が別々の「宗教」として存在し、並列的、つまりお互いに影響を与えるような関係ではなく、それらが独立して発展し、別々の歴史を積み上げてきたと考えがちです。

ですが、「神道」という概念自体、そんなに古いものではないらしいし、確立されていたものでもないようです。それに神道と一口に言っていますが、派もあるみたいですよ。

というか、そもそも宗教という単語自体、明治期に初めて辞書に載ったもの。
英語ではreligionで、“神との結びつき=契約”を意味するそうです。(ここのところは専門外につき、詳しいことは分かりませんが…)

ともあれ、語が示す通り、所謂日本的な「宗教」にこうした観念は薄そうです。(ただし、浄土真宗はプロテスタントと信仰体系として近いものがあると言われているみたい)

さて、神道や儒教・道教もいわゆる「宗教」として扱われているのですが、昔の実態はどうだったのでしょうか?ホントに今のように、一つ一つ別個の宗教だったと認識されていたのでしょうか?また、キリスト教との関係は?

この辺りのことが、『近世の仏教』(吉川弘文館・末木文美士)に詳しく述べられています。大変興味深い内容で、現代の我々の考え、例えばパートタイム宗教、何て呼ばれることについても、実は江戸時代からその萌芽があったわけです。キリスト教徒の対話、特に不干斎ハビアン(はじめ大徳寺で学び、後にクリスチャンとなり、なぜか最後に棄教した)の残した『妙貞問答』など、とても興味深い宗教論争なんかもあります。

しかも、その本を読むと・・・そう、今も昔(江戸期)も人間ってあんまり変わらず「仏教は堕落している」だの「既得権にしがみついている」だの「他の宗教を見ろ」だの言っているわけです(笑)

ですが、ボロクソ言われる仏教も(笑)、なぜその姿を消さずに、今日まで至っているのか・・・ま、続きはその本をお読みになってお考えいただければ宜しいかと。


(まだ続きそう・・・書いちゃっていいですか??)

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Posted by 泰明@西光寺 at 21:47
Comments(2)仏教のこと
この記事へのコメント
浄土真宗はプロテスタントで、曹洞宗はカトリック的だよね
Posted by kanegonkanegon at 2011年09月02日 21:53
>kanegon師

お久しぶりです★

そうですね。私が読んだ本には、今の日本で「宗教」と見做される構図は、実はプロテスタントの信仰体系が基準になっている、とありました。(何でかは書いてなかったですが・・・)

信仰の体系、という意味では確かに曹洞宗はカトリック的かもしれませんね~!

それにしてもすごい風ですね。また嵐が収まったら飲みに行きましょう(笑)
Posted by 泰明@西光寺泰明@西光寺 at 2011年09月02日 22:03
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