2012年01月15日
これからの『未来の住職塾』 -後編-
(1月13日(金)虎ノ門にある光明寺にて行われた『未来の住職塾』セミナーの所感です。後半)

(↑光明寺は、”神谷町オープンテラス”という、境内の一部をカフェのようにしつらえ、近隣の方に使ってもらえるように解放しています。目の前には東京タワーもそびえ、都会にありながら、別空間のようなのですが・・・私が行ったときは真っ暗。なのでサイトからお借りしてきました)
2.他宗教の意識
もう、「葬式によらない仏教」とか「葬式や法事のイメージを打破する」みたいなのが、さんざん使われてきた陳腐な枕詞になっています。(そんなことは江戸時代から言われていたことだし)
でも、結局はそれって「仏教」という枠組みの中でしか、葬式を考えていないように見えます。つまりは、“檀信徒がいる前提”での話。
しかし、今回のセミナーの中で、“他宗教に対して仏教の有り様、スタンス”が明確に提示されていました。これはかなり珍しいことだと思います。少なくとも、私が目にしてきた種々の資料(葬儀や法事に関する)には、こうした“他宗教”をはっきり意識して書かれたものって極めて少ない。
檀信徒の衰退や、法事の減少を単純に嘆くのではなく、もっと全体から見た仏教・檀信徒・法事の有り様を考える必要がありそうです。そうした意味では、この“他宗教に対して仏教の有り様、立場、行く末”というテーマは、かなり重い。
3.ミーハーな泰明(笑)
参加者について触れていなかったですね。参加者は約50名。全国各地(名刺交換した中でも、宮崎県・広島県・愛媛県・大阪府・富山県・北海道など)から、宗派もバラバラ。年齢層は30代中盤くらいが一番多いような印象でした。
私も行く前に、直感で「参加者は50人くらいかな」と思ったのですが、果たしてその通りでした。ちなみに、我が曹洞宗は見る限り5~6人。僕とそれから僕の同期を入れて、です。
(これあんまり書かない方が良いのかもしれませんが・・・やっぱり浄土真宗が多い気がする。この「彼岸寺」に限らず、割と革新的なことをする僧侶って浄土・浄土真宗に集中しているような気がするのは私だけでしょうか・・・逆に曹洞宗は・・・以下、自主規制・・・笑)
後、面白かったのが、名刺交換をしていく中で、ほとんどの僧侶がfacebookをやっていること。これ、結構興味深かった。何故FBをやっているのか、その理由までは(各人いろいろだろうし)聞けずじまいでしたが、今度会ったら聞いてみたいところです。
それから、取材。フジテレビや他のメディアも取材に来ていました。ドキュメンタリーを撮るんだとか。私は最前列、しかもスクリーン前に座っていたので、映るかも(笑)
あとは・・・あまり良い印象じゃないのですが、懇親会での席でいろんな方とお話をさせていただく中で、参加者には意識の差、温度差が少し垣間見られました。何というか、今回のセミナーであれ、まぁ、どんなことでもそうなんですが、物事を新しく始めたり、行動するときって、必ず情熱や信念がいると思うんです。それが周りに伝播して、物事が始まっていく、みたいな。
しかし、中には、この新しいスタイルのセミナー、もっと大きなカテゴリで言えば、“新しい仏教ムーブメント、イベント”にただ酔っている人もいるような気がしました。要するに「本気で学びたい!」という気概より、“参加するだけ、その会にいるだけ”で、満足してしまい、結果的に“俺って『未来の住職塾』セミナーに行ったから、イケてる”と勘違いしちゃってる(かのように見える)人も。まぁ、仕方ないかもしれませんが・・・。
と、まぁ長々と書きましたが、非常に密度の濃い東京滞在でした。(でも、夕方上京、始発帰省は結構辛い・・・)
講師である松本師、青江師にはこの場をお借りして御礼申し上げます。ありがとうございました。楽しかったです!
(松本師が懇親会の時、チラッとおっしゃっていましたが「どんな法話よりも、(このセミナーに対して)準備しました」とのこと。そうだろうな~。すごく良いセミナーだったもん)

(↑光明寺は、”神谷町オープンテラス”という、境内の一部をカフェのようにしつらえ、近隣の方に使ってもらえるように解放しています。目の前には東京タワーもそびえ、都会にありながら、別空間のようなのですが・・・私が行ったときは真っ暗。なのでサイトからお借りしてきました)
2.他宗教の意識
もう、「葬式によらない仏教」とか「葬式や法事のイメージを打破する」みたいなのが、さんざん使われてきた陳腐な枕詞になっています。(そんなことは江戸時代から言われていたことだし)
でも、結局はそれって「仏教」という枠組みの中でしか、葬式を考えていないように見えます。つまりは、“檀信徒がいる前提”での話。
しかし、今回のセミナーの中で、“他宗教に対して仏教の有り様、スタンス”が明確に提示されていました。これはかなり珍しいことだと思います。少なくとも、私が目にしてきた種々の資料(葬儀や法事に関する)には、こうした“他宗教”をはっきり意識して書かれたものって極めて少ない。
檀信徒の衰退や、法事の減少を単純に嘆くのではなく、もっと全体から見た仏教・檀信徒・法事の有り様を考える必要がありそうです。そうした意味では、この“他宗教に対して仏教の有り様、立場、行く末”というテーマは、かなり重い。
3.ミーハーな泰明(笑)
参加者について触れていなかったですね。参加者は約50名。全国各地(名刺交換した中でも、宮崎県・広島県・愛媛県・大阪府・富山県・北海道など)から、宗派もバラバラ。年齢層は30代中盤くらいが一番多いような印象でした。
私も行く前に、直感で「参加者は50人くらいかな」と思ったのですが、果たしてその通りでした。ちなみに、我が曹洞宗は見る限り5~6人。僕とそれから僕の同期を入れて、です。
(これあんまり書かない方が良いのかもしれませんが・・・やっぱり浄土真宗が多い気がする。この「彼岸寺」に限らず、割と革新的なことをする僧侶って浄土・浄土真宗に集中しているような気がするのは私だけでしょうか・・・逆に曹洞宗は・・・以下、自主規制・・・笑)
後、面白かったのが、名刺交換をしていく中で、ほとんどの僧侶がfacebookをやっていること。これ、結構興味深かった。何故FBをやっているのか、その理由までは(各人いろいろだろうし)聞けずじまいでしたが、今度会ったら聞いてみたいところです。
それから、取材。フジテレビや他のメディアも取材に来ていました。ドキュメンタリーを撮るんだとか。私は最前列、しかもスクリーン前に座っていたので、映るかも(笑)
あとは・・・あまり良い印象じゃないのですが、懇親会での席でいろんな方とお話をさせていただく中で、参加者には意識の差、温度差が少し垣間見られました。何というか、今回のセミナーであれ、まぁ、どんなことでもそうなんですが、物事を新しく始めたり、行動するときって、必ず情熱や信念がいると思うんです。それが周りに伝播して、物事が始まっていく、みたいな。
しかし、中には、この新しいスタイルのセミナー、もっと大きなカテゴリで言えば、“新しい仏教ムーブメント、イベント”にただ酔っている人もいるような気がしました。要するに「本気で学びたい!」という気概より、“参加するだけ、その会にいるだけ”で、満足してしまい、結果的に“俺って『未来の住職塾』セミナーに行ったから、イケてる”と勘違いしちゃってる(かのように見える)人も。まぁ、仕方ないかもしれませんが・・・。
と、まぁ長々と書きましたが、非常に密度の濃い東京滞在でした。(でも、夕方上京、始発帰省は結構辛い・・・)
講師である松本師、青江師にはこの場をお借りして御礼申し上げます。ありがとうございました。楽しかったです!
(松本師が懇親会の時、チラッとおっしゃっていましたが「どんな法話よりも、(このセミナーに対して)準備しました」とのこと。そうだろうな~。すごく良いセミナーだったもん)
この記事へのコメント
なんなワクワクされている感じが伝わってきますね♪
まっ…何事でも、温度差はあると言う事で(笑)
それもまた多様性だと理解すればいいんじゃないですか(笑)
テレビ放映の日程が決まったら教えて下さいね♪
まっ…何事でも、温度差はあると言う事で(笑)
それもまた多様性だと理解すればいいんじゃないですか(笑)
テレビ放映の日程が決まったら教えて下さいね♪
Posted by ホシヲ at 2012年01月15日 23:36
>ホシヲさん
コメントありがとうございます!
「多様性」・・・確かにそうですね。いろんな人がいてこそおもしろい会になるんだし(笑)でもホントに楽しい講義でした。ただ唯一残念なのが・・・風邪が治らずに参加したんですよね。だから鼻水がじゅるじゅるで(笑)
テレビはまた他の方に聞いてみます。どうなんだろ、もしかしたら関東圏のニュースでのみ放送されたかもしれません。
コメントありがとうございます!
「多様性」・・・確かにそうですね。いろんな人がいてこそおもしろい会になるんだし(笑)でもホントに楽しい講義でした。ただ唯一残念なのが・・・風邪が治らずに参加したんですよね。だから鼻水がじゅるじゅるで(笑)
テレビはまた他の方に聞いてみます。どうなんだろ、もしかしたら関東圏のニュースでのみ放送されたかもしれません。
Posted by 泰明@西光寺 at 2012年01月16日 11:13
泰明さん、お疲れ様でした!!
セミナーの内容自体は、経営学の基本的なところだったけど、今まで僧侶の中でやって来られなかったというのが、不思議でなりません。それだけ、寺院の収益構造は他の営利団体とは異なっていると思われていたってことでしょう。
近現代に入って、社会構造自体が変化していて、これほどの人口増加を未だかつて経験してこなかった日本ですが、人口が初めて減り始めたということに、もっと危機感を持たなければ、今の経済システムの中でなにかと課税を狙われている宗教界はジリ貧を免れることは出来ないと思っています。
そこに、アンカーポイントを打つってことで、今回のセミナーの存在は面白かった。
お祭り騒ぎの人もいれば、冷めた目で見る人もいて、色々だなと思いましたが、ベクトルを間違わずに、智慧をひねり出してまじめに取り組む僧侶・寺院だけが生き残れる世になるでしょうから、お互いに頑張りましょう!!
セミナーの内容自体は、経営学の基本的なところだったけど、今まで僧侶の中でやって来られなかったというのが、不思議でなりません。それだけ、寺院の収益構造は他の営利団体とは異なっていると思われていたってことでしょう。
近現代に入って、社会構造自体が変化していて、これほどの人口増加を未だかつて経験してこなかった日本ですが、人口が初めて減り始めたということに、もっと危機感を持たなければ、今の経済システムの中でなにかと課税を狙われている宗教界はジリ貧を免れることは出来ないと思っています。
そこに、アンカーポイントを打つってことで、今回のセミナーの存在は面白かった。
お祭り騒ぎの人もいれば、冷めた目で見る人もいて、色々だなと思いましたが、ベクトルを間違わずに、智慧をひねり出してまじめに取り組む僧侶・寺院だけが生き残れる世になるでしょうから、お互いに頑張りましょう!!
Posted by 昇洋 at 2012年01月16日 15:44
>昇洋さん
今回は(も?)大変お世話になりました!
本当に、昇洋さんがいてくださったからこそ、すごく充実したセミナーになりました。楽しかった★
僕はホントに仲間に恵まれている、と再認識した夜でした。
とくに昇洋さんは、普通の同安居と違うというか、もちろん馬鹿騒ぎできる仲間もいいんだけど、それ以上の崇高な志・エッジの効いたセンス・明晰な頭脳をお持ちで、そうした個性にすごく惹かれます。得難き仲間です。
”ベクトルを間違わずに、智慧をひねり出してまじめに取り組む僧侶”、これが一番大事なことだよね!目新しい理論、やり方とかも良いんだけど、最終的には、新しいとか古いとかより、”道心”ある僧侶が生き残るような気がします。(ま、いつの世も同じ事を言われ、そして、いつの世も志ある僧侶がいたから、今まで法が絶えなかったんでしょうね)
松本さんが懇親会の時、とっても良いこと言っていて、僕も成る程!と思ったんだけど、
「今からのお寺は、学僧のように、本当に勉強し、精進・修行するタイプか、きちんと経営のできる、檀信徒を教化し上手くやっていけるタイプか、どちらかでしょうね。どちらともになるのはは難しいけど、でもどちらともできないのであれば、確実にダメでしょうね」と仰っていました。
展昌さんもかつて仰ってましたが、釈尊在世時より、こうした”修行か・教化か”みたいな議論はあったそうな。ただ、今ほどそれが試される時期もないだろうし、どちらかがエライ・優れている、というのもきっと無いんだと思う。やっぱり僧侶も人間だから、得手不得手もあるしね。本分を活かし切る、ってことでしょうね。
ま、僕はあんまり頭が良くないので、後者を目指します(笑)
ホントに、昇洋さんのおかげです。ありがとう!!
今回は(も?)大変お世話になりました!
本当に、昇洋さんがいてくださったからこそ、すごく充実したセミナーになりました。楽しかった★
僕はホントに仲間に恵まれている、と再認識した夜でした。
とくに昇洋さんは、普通の同安居と違うというか、もちろん馬鹿騒ぎできる仲間もいいんだけど、それ以上の崇高な志・エッジの効いたセンス・明晰な頭脳をお持ちで、そうした個性にすごく惹かれます。得難き仲間です。
”ベクトルを間違わずに、智慧をひねり出してまじめに取り組む僧侶”、これが一番大事なことだよね!目新しい理論、やり方とかも良いんだけど、最終的には、新しいとか古いとかより、”道心”ある僧侶が生き残るような気がします。(ま、いつの世も同じ事を言われ、そして、いつの世も志ある僧侶がいたから、今まで法が絶えなかったんでしょうね)
松本さんが懇親会の時、とっても良いこと言っていて、僕も成る程!と思ったんだけど、
「今からのお寺は、学僧のように、本当に勉強し、精進・修行するタイプか、きちんと経営のできる、檀信徒を教化し上手くやっていけるタイプか、どちらかでしょうね。どちらともになるのはは難しいけど、でもどちらともできないのであれば、確実にダメでしょうね」と仰っていました。
展昌さんもかつて仰ってましたが、釈尊在世時より、こうした”修行か・教化か”みたいな議論はあったそうな。ただ、今ほどそれが試される時期もないだろうし、どちらかがエライ・優れている、というのもきっと無いんだと思う。やっぱり僧侶も人間だから、得手不得手もあるしね。本分を活かし切る、ってことでしょうね。
ま、僕はあんまり頭が良くないので、後者を目指します(笑)
ホントに、昇洋さんのおかげです。ありがとう!!
Posted by 泰明@西光寺 at 2012年01月16日 17:41