2012年02月15日
自分、僧侶ですから・・・【涅槃会】
今日、2月15日は仏教徒にとって非常に重要な3つの日のひとつ、「涅槃会」(ねはんえ)です。
涅槃とは、本来、煩悩を消し去った後の安楽なる状態を言うのですが、これが転じてお釈迦様のご命日とされています。もう少し言えば、ブッダは“死”というものを以て、安楽なることを示されたということで、「涅槃」という言葉が使われています。

さて、今日はせっかくなので、『佛垂般涅槃略説教誡経』を採り上げてみたいと思います。長いタイトルですが、ずばりこれはお釈迦様が亡くなる前に、最後に遺した言葉・教えのお経とされています。ちなみに読み方は「ぶっすいはつねはんりゃくせつきょうかいきょう」もしくは「ぶっしはつねはんりゃくせつきょうかいきょう」、略して“遺経”(ゆいきょう)とか、“遺教経”とか言われています。まぁ文字通り「最後に遺されたお経」ということですね。(以下、「遺経」と書きます)
ある説に依れば、このお経は“偽経”と言われ、俗に言う所の「中国で後世に作られた偽物」という事なんですが、言ってしまえば、元々ブッダは、教えをただの1つも文字として遺されていない(これはイエスも同じと言われていますね)訳で、そう言う意味では「パリニッバーナ」だって同じようなものです。なんでもかんでも、「北伝(中国や日本に伝わる仏教)は偽物で、南伝(スリランカやタイなどの仏教)こそ本物だ!」と主張する人がいますが・・・このことについて詳しく書くと、とんでもなく長くなりそうなので割愛します。
が、とにかく、泰明は個人的にこの「遺経」が非常に気に入っています。西光寺ではお通夜にこのお経をおつとめするので、年に何十回も読むから、ということもありますが、「死の直前」という臨場感あふれる描写と、教えが割と平易で、身に染みる感じがするからです。
実際はとても長いお経なので、この中からごくの一部分だけを書きます。今日は終わりに近いこの部分。
「当に知るべし、世は皆無常なり、会うものは必ず離るることあり。憂悩を懐くこと勿れ、世相是の如し。当に勤めて精進して早く解脱を求め、智慧の明を以て、諸の痴暗を滅すべし。世は実に危脆なり、牢強なる者なし。」
あまり難しい言葉ではないのですが、一応現代語風にいうなら・・・
「(ブッダは弟子達に伝えた)・・・まさに知っておきなさい。世の中はみな無常です。会った人とは必ず別れがくるのです。(しかしだからといって)いたずらに悩み憂いを持つことはありません。世相がこのようなものだから。
だからこそ、しっかり勤め励み精進をして、解脱(さとり)を求め、正しい智慧(見方・考え方)という“明かり”をもって、この愚かさの“暗さ”を滅しなさい。
世の中は、実にもろく、危ういのだから、堅剛なものなどありません。」
ま、だいたいこんな感じでしょうか。この遺経も、最後の最後の段になると、殊更に臨場感あふれ、本当に死を前にした人間が、遺された人に伝えたい最後の思いを吐露するような文が続きます。
無常、というと、何か寂寥感が込み上げてくるような面持ちがしますが、仏教的にいえば、これが基本理念であります。どうしても我々は“世の中ははかないものだから”といい、怠惰をむさぼり、楽な方楽な方へと流れがち。
しかし、だからこそ、ブッダは「悲しむことはない、これが世の掟だから」と言い、「怠ることなく、修行を完成させなさい」(このフレーズはパリニッバーナにある)と最後に言い残すのです。ま、これは言ってみれば弟子たちに伝えた言葉であるので、たぶんに“僧侶向け”な教えではありますが。とはいうものの、一般の方が読んでも「なるほど~」と仰っていただけるんじゃないかと思って紹介しました。
涅槃とは、本来、煩悩を消し去った後の安楽なる状態を言うのですが、これが転じてお釈迦様のご命日とされています。もう少し言えば、ブッダは“死”というものを以て、安楽なることを示されたということで、「涅槃」という言葉が使われています。

さて、今日はせっかくなので、『佛垂般涅槃略説教誡経』を採り上げてみたいと思います。長いタイトルですが、ずばりこれはお釈迦様が亡くなる前に、最後に遺した言葉・教えのお経とされています。ちなみに読み方は「ぶっすいはつねはんりゃくせつきょうかいきょう」もしくは「ぶっしはつねはんりゃくせつきょうかいきょう」、略して“遺経”(ゆいきょう)とか、“遺教経”とか言われています。まぁ文字通り「最後に遺されたお経」ということですね。(以下、「遺経」と書きます)
ある説に依れば、このお経は“偽経”と言われ、俗に言う所の「中国で後世に作られた偽物」という事なんですが、言ってしまえば、元々ブッダは、教えをただの1つも文字として遺されていない(これはイエスも同じと言われていますね)訳で、そう言う意味では「パリニッバーナ」だって同じようなものです。なんでもかんでも、「北伝(中国や日本に伝わる仏教)は偽物で、南伝(スリランカやタイなどの仏教)こそ本物だ!」と主張する人がいますが・・・このことについて詳しく書くと、とんでもなく長くなりそうなので割愛します。
が、とにかく、泰明は個人的にこの「遺経」が非常に気に入っています。西光寺ではお通夜にこのお経をおつとめするので、年に何十回も読むから、ということもありますが、「死の直前」という臨場感あふれる描写と、教えが割と平易で、身に染みる感じがするからです。
実際はとても長いお経なので、この中からごくの一部分だけを書きます。今日は終わりに近いこの部分。
「当に知るべし、世は皆無常なり、会うものは必ず離るることあり。憂悩を懐くこと勿れ、世相是の如し。当に勤めて精進して早く解脱を求め、智慧の明を以て、諸の痴暗を滅すべし。世は実に危脆なり、牢強なる者なし。」
あまり難しい言葉ではないのですが、一応現代語風にいうなら・・・
「(ブッダは弟子達に伝えた)・・・まさに知っておきなさい。世の中はみな無常です。会った人とは必ず別れがくるのです。(しかしだからといって)いたずらに悩み憂いを持つことはありません。世相がこのようなものだから。
だからこそ、しっかり勤め励み精進をして、解脱(さとり)を求め、正しい智慧(見方・考え方)という“明かり”をもって、この愚かさの“暗さ”を滅しなさい。
世の中は、実にもろく、危ういのだから、堅剛なものなどありません。」
ま、だいたいこんな感じでしょうか。この遺経も、最後の最後の段になると、殊更に臨場感あふれ、本当に死を前にした人間が、遺された人に伝えたい最後の思いを吐露するような文が続きます。
無常、というと、何か寂寥感が込み上げてくるような面持ちがしますが、仏教的にいえば、これが基本理念であります。どうしても我々は“世の中ははかないものだから”といい、怠惰をむさぼり、楽な方楽な方へと流れがち。
しかし、だからこそ、ブッダは「悲しむことはない、これが世の掟だから」と言い、「怠ることなく、修行を完成させなさい」(このフレーズはパリニッバーナにある)と最後に言い残すのです。ま、これは言ってみれば弟子たちに伝えた言葉であるので、たぶんに“僧侶向け”な教えではありますが。とはいうものの、一般の方が読んでも「なるほど~」と仰っていただけるんじゃないかと思って紹介しました。
この記事へのコメント
お誕生日おめでとうございます。
今度、カネゴンさんとライブのご予定はございますか?
今度、カネゴンさんとライブのご予定はございますか?
Posted by 水樹 at 2012年02月16日 08:53
>水樹さん
コメントありがとうございます!っていうか、何で誕生日をご存じなのですか??嬉しいです★
えっと、ライブは今週の19日日曜日です。日本酒の有名なお店らしいです。(すみません。行ったことないので・・・)
明日、牧師さんと練習します!!
コメントありがとうございます!っていうか、何で誕生日をご存じなのですか??嬉しいです★
えっと、ライブは今週の19日日曜日です。日本酒の有名なお店らしいです。(すみません。行ったことないので・・・)
明日、牧師さんと練習します!!
Posted by 泰明@西光寺
at 2012年02月16日 15:01

こんばんは。
http://www.dosugoi.net/で、
2月16日がお誕生日の方
小原泰明さんって、大々的に掲載されているからですよ。(^^)
ついでに、マップトラックバックの
# 天に月、地に山 特別ライブ情報
# ふりむけば西光寺
# 旧アルタミラの洞窟へ
# 琳佳さん・マグさん・カネゴンさん&おそらくは、泰明さん♪
の記事を参照していただくと幸いです。
http://www.dosugoi.net/で、
2月16日がお誕生日の方
小原泰明さんって、大々的に掲載されているからですよ。(^^)
ついでに、マップトラックバックの
# 天に月、地に山 特別ライブ情報
# ふりむけば西光寺
# 旧アルタミラの洞窟へ
# 琳佳さん・マグさん・カネゴンさん&おそらくは、泰明さん♪
の記事を参照していただくと幸いです。
Posted by 水樹 at 2012年02月16日 20:16
>水樹さん
遅くなって申し訳ございません!
ホントですね・・・最近、まったくどすごいブログのトップページを見ていないので、気が付きませんでした。ありがとうございます!!
マップトラックバックって面白い機能ですね。それに西光寺のことも採り上げてくださって、恐縮です。重ねて御礼申し上げます。
明日はライブです。頑張ります★
遅くなって申し訳ございません!
ホントですね・・・最近、まったくどすごいブログのトップページを見ていないので、気が付きませんでした。ありがとうございます!!
マップトラックバックって面白い機能ですね。それに西光寺のことも採り上げてくださって、恐縮です。重ねて御礼申し上げます。
明日はライブです。頑張ります★
Posted by 泰明@西光寺 at 2012年02月18日 09:44