2012年05月17日

結婚記念日とお年忌の意外な共通点?

結婚記念日はお年忌?

のっけから縁起でもないタイトルです。
結婚記念日に夫婦のどちらかが亡くなった、とかそういう悲しい話ではありません。

”結婚は人生の墓場?だからお年忌???”そんなブラックジョークをかましている訳でも、もちろんありません。

今日は私たちの結婚記念日。3周年になりました。
毎年、結婚披露宴をしたホテルのレストランで、年に一度の贅沢を、ということでお食事に行きます。高い、(物理的にも金額的にも)レストランでは緊張します。(地震とか支払いとか・・・笑)
結婚記念日とお年忌の意外な共通点?
味はどうかって?そりゃ”蜜の味”ですがな(冷笑)
結婚記念日とお年忌の意外な共通点?
さて、くだらない親父ギャグはおいといて、美味しいお料理を堪能した訳ですが、その時に、ふと思ったこと、思い出したことを一つ。

今思い返すと、結婚式の前後は、ものすごいストレスだった。
いや、誤解を招く表現だが、決して”結婚したこと”がストレスだったのではありません。だって、現におかげさまで割と幸せに生きていますので・・・。

ではなく、結婚式も仏前だったので、自分でいろいろ式次第とかを作り、披露宴も会場のキャパいっぱい。有り難い事にライブ演奏や出し物も多数あったし(その調整も)、会場セッティングの関係で、席次表も自作を余儀なくされたので、それも全力投球。
 加えて、新婚旅行(さる理由からパックツアーではなく、全行程2人旅だった・・・しかもフランス語は話せないのに行き先はフランス)の準備とか、披露宴とは別に親しい友人達を招いての1.5次会もやった。

と言うわけで、過剰表現ではなく、ホントに一時期、円形に脱毛化が進んで、まるで江戸時代の月代(さかやき)みたいに。
え?もとより頭はつるつるだから関係ないじゃん、ですって?まぁ確かに・・・。でも、ホントに薄くなるんですね。びっくりです。

と言うわけで、式の前後自体は大変だったのですが、おかげさまで子宝にも恵まれ、毎日それなりにやっております。

で、ここで思ったのが、”おかげさま”ということ。
披露宴や式に多数の方がご臨席下さったのも、やはりご縁があってのこと。その後の結婚生活もまぁまぁ円満無事(?!)にやれているのも、ご縁のある皆さんのおかげ。

例えばですよ。子どもが生まれる。そうすると泣き声が気になるじゃないですか、近隣の方に迷惑掛けるんじゃないかって。もしそれが例えば東京みたいな人口密集地帯で、なおかつ隣人の顔も名前もしらない、挨拶もしたことないでは、それだけのことだけど、不安材料になりません?

それだけ、人間が生きるって事は、無数の、それこそ”見える縁”も”見えない縁”もあり、その中で生きているってことなんでしょうね。
結婚記念日とお年忌の意外な共通点?
(今日の写真は全部そのレストランのお料理で、撮影は私)

そういう意味では、実はお年忌もそうだったりします。
一周忌と三回忌って別名があるんですが、それは”小祥忌”と”大祥忌”と言います。

”祥”(めでたいこと、さいわい)という文字が何故、本来は死者を供養する儀式に付いているのか?それは諸説あるそうですが、”中国では服喪の最後が大祥忌”であり、”大過なく遺族が過ごせ、そして故人が平安の世界に住んでいる証し”としてめでたい祭り(吉祭)としてこの大祥忌を行うのだそうです。

ここで肝心なのは、やはり”死者”も”生者”も共に安寧であることを祈っていることではないでしょうか。

もし死者儀礼が、単に死者へのみ、だとしたら、我々生者はその儀礼を行う必要があるのでしょうか。そして死者のみ、という断定はできるのでしょうか?
(これは間違ってはいけませんが、”だから必要ない”ということではありません。それから”死者へ捧げる”ことができるのは、ある意味宗教者のつとめかもしれません。)

”死”を見つめることで、実は”生”をより生き生きとして、充実感を伴ったものに、そして明日への糧となる、というのが、年回忌という節目ではないか。

その点では、結婚記念日という節目で”結婚生活”あるいは”結婚するということ”を見つめ、より良き生活にするということと、実は同じ事を”死”の観点から捉え直しているのが年回忌などの儀礼だと私は思います。

・・・せっかくの結婚記念日なのにね。こんな事、書かなくてもいいのに。もっとハッピーな話題はないの?・・・と一人で突っ込みを入れつつ(汗)、最後にずいぶん前に読んだbe(朝日新聞土曜版)のインタビュー記事の言葉を書き付けておきます。


周りを見渡すと、ただ漠然と生きている人が多いと思うようになった。いつか死ぬのだから一生懸命生きよう、という意識が現代には希薄すぎると思います。

吉田太一さん 遺品整理専門会社キーパーズ社長



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Posted by 泰明@西光寺 at 17:19
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