2011年08月01日

obon ビフォーアフター

いよいよお盆の季節です。
お盆は8月1日から。そこで、西光寺でも本堂にこんな祭壇を用意します。

(↓これがいつもの風景)
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(↓お盆モード)
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賽銭箱の前に施食棚(せじきだな)というお盆用の祭壇を用意します。

通常、お寺の本堂は北側に本尊さまを安置し、いろんな法要もほとんど全て北側を向いて行います。(写真からすると左側方向)

しかし、お盆は真逆の南側に祭壇を設置し、南側(写真でいうと右側方向)を向いて行います。

これには理由があるそうで、私が聞いた話では、南向きというのは、”世界全てに向けて”という意味、つまりすべての生き物(普く一切のもの)に対する供養をする、という意味があるそうです。

ですから、お焼香も全て南の祭壇側になり、普段とは逆の向きでお参りをしてもらいます。

ちなみに・・・お盆モード写真(?)の右下に机が2つ重ねておいてあります。ここには、”袋米”(ふくろまい)というお初盆のお供えをします。お初盆とは四十九日を終えて最初にお迎えするお盆のこと、新盆とも言います。

袋米を供えるのは、私の知る限り、どうやらこの辺だけの風習らしく、豊橋・渥美半島・新城・浜松方面はあるけれど、岡崎にはなかったと記憶しています。

袋米は、故人が男性なら四角の袋、女性なら三角の袋にお米をいれ、わらじと扇子を付けて供えます。たぶん、故人があの世へ帰るときに、きれいなわらじと涼しげな扇子を持ち、お腹が空かないようにお米をつけて供えたのだと思います。

現代の考え方からすれば、バカバカしいと思うでしょう。
しかし、お米が貴重だった時代、モノがなかった時代には、せめてもの願いを込めてお供えしたに違いありません。私はそうした意をくみ取り、現代に伝えることに価値があると思っています。それにこの地方独特の風習ならなおさら。

さぁ、今年も暑さに耐えて、しっかりお盆のおつとめをいたします。


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Posted by 泰明@西光寺 at 17:14
Comments(2)お寺のこと
この記事へのコメント
へー
あれ、施食棚っていうんですね!
初めて知りました。

ところで、袋米の袋のかたちが男女で違うのには
何か意味があるのですか?
Posted by 志穏 at 2011年08月02日 07:20
>志穏さん

おはようございます。

いいご質問ですが・・・袋の形・・・何故違うのでしょうか?私も分かりません。このブログ、かなり同業者(僧侶)が見ているようなので、もしかしたら知っている人がいるかも。また分かったらここに書き込みしますね!

私の予想では・・・パッと見て男女が分かるように(祖先の霊が迷わないから)か、男性の方がたくさん食べるから(三角形より四角形の方が容積が大きい)でしょうか(笑)
Posted by 泰明@西光寺 at 2011年08月02日 08:55
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