2011年08月07日

フリースタイル -2-

前回の続き)
朝日新聞で取り上げられた浄土宗の僧侶 池口龍法師についてです。
彼は宗派を超えた僧侶でつくる「フリースタイルな僧侶たちのフリーマガジン」の編集長。

前回の最後に”彼の語りや思考ではなく、インタビュアーの質問内容が興味深い”と書きました。

フリースタイル -2-
このインタビュアーの質問が面白い。
「そもそも現代に宗教は意味があるのでしょうか(1)」
「仏教に何が可能でしょうか(2)」
「地域コミュニティーの核として、現代の寺は機能していないのでは(3)」

ナイスな質問ですね。私も答えに窮するかも・・・。

池口師のお答えは・・・

(1)(東日本大震災で、)人間の想定していることって、たかが知れているんだな、と思いました。原発の事故でも「想定外」という言い方をした。何でも想定できると疑わない思考のメカニズムでは、現実には対応できない。(補記:ここに宗教の意味がある)

(2)人間が合理的に考えられる部分とその外側との橋渡し。
人間の想定できるものって知れていると思うと、多少は生きやすくなるかな。

(3)必ずしもそうは思っていないんですよ。確かに日本仏教はよく批判されます。肉食するわ、妻帯するわ、先祖供養ばっかりやっている。でも、それでいいんじゃないかな。昔なら、聖俗入り混じって、町の人と酒を酌み交わして悩みを聞いていたでしょう。

(現代は、一般人と僧侶との)橋渡しをするものがあと少し必要なだけで。その1つがインターネットだと思う。(適正かどうかは別として)ミシュランガイドのような格付け本を作らなくちゃダメかな、と。
まずはお寺に行きやすくしたいんですよね。


ミシュランガイドの意見以外はけっこう賛同できますicon01

他に記事を読んでいて思ったこと・・・

やはりこうした活動は同じ僧侶の上の世代には冷ややかに見られていたそうです。(多分そうでしょうね。私もおんなじ)

それから近年の仏教ブームに関しては「仏教は単なる癒しのアイテムではない。宗教は人の考え方を根本から変えるもの。」とやや距離を置くスタンス。これも同感。

「だから、紙面は親しみやすさに工夫する一方、仏教とは何か?といった硬派なコラムにも力を入れています。硬軟のバランスが難しい」そうそう、単なる“はやりもの”じゃないですからね、仏教は。とは言え、一人でも多くの方に読んでもらいたい。だから“硬軟のバランス”にこだわりますよね。

私もバランスに気を遣います。何故ってやっぱり、記事をご覧になった檀家さんや一般の方のご意見が聞きたいからです。是非ご意見・ご感想をお願いしますicon12それがブログをやっている意義ですから!

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Posted by 泰明@西光寺 at 13:42
Comments(2)仏教のこと
この記事へのコメント
はじめまして。
フリースタイルな僧侶たち 代表の池口と申します。

朝日新聞「be」の掲載記事についてご紹介いただき有難うございました。

「インタビュアーの質問は面白い」というご指摘になるほどと思い
勝手ながらメルマガでこのテーマについて書かせていただきました。
よろしければご覧下さいませ。

http://archive.mag2.com/0001155012/index.html

今後どうぞよろしくお願いします。合掌。
Posted by 池口 at 2011年09月04日 02:43
>池口龍法師

はじめまして。池口師より直接にコメントいただけるとは夢にも思っていなかったので、若干焦っております(笑)駄文を弄してしまって、失礼がなかったかと心配しております。

さて、コメントありがとうございます。私のようなもののブログをご覧いただき、またメルマガに取り上げていただけるとは大変恐縮です。ありがとうございます。

メルマガも拝読いたしました。私も実は同感です。ただ、仏教者である以上、「お寺も仏壇も「いまさら必要ない」と言われたら、納得してしまう」とは言えない、というのが私のホンネでもありますが・・・。難しいところです。

ともあれ、(よく比肩されるかもしれませんが…)ネット寺院彼岸寺の活動や、池口師の活動はとても素晴らしいと私は思いますし、ある意味では、同世代のこうしたムーブメントがどんどん広がることを期待してもいます。

これからの師とフリーペーパーの、ますますのご活躍、ご発展を切にお祈りしております。

                       小原泰明 九拝
Posted by 泰明@西光寺 at 2011年09月04日 08:46
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