2012年02月05日
ご厚意の茵に抱かれて
昨日は西光寺の恒例行事、大般若祈祷会(だいはんにゃきとうえ)がありました。
これは檀家さまの一年の無事・家内安全を祈る法要で、多くのお寺は正月に行っているもの。伝統的には、今から1300年ほど前から宮中で始められたとされています。西光寺は毎年、立春(2月4日)に行います。
「大般若」とは、西遊記でおなじみ、三蔵法師(この方のモデルと言われているのが実在の僧侶“玄奘”げんじょう、という名です)がインドから中国に持ち帰り、翻訳した600巻もあるお経のことです。
ちなみに三蔵(さんぞう)とは、本来、「経」・「律」・「論」の3つの事柄を指し、それぞれ“ブッダの教え”、“教団のルールブック”“ブッダの教えの注釈”なのですが、これら3つに精通した僧侶を尊敬の念をこめて“三蔵”と言います。尊称ですね。

さて、前日までとてつもなく寒かったので(当日もストーブをつけに本堂へ行ったら5℃だった)、果たして檀家さんはお越しいただけるのか?と内心心配していましたが、結果的に200名を超えるお檀家さんにお越しいただき、無事におつとめできました。
実は今日書きたかったことは、無事におつとめできたことでも、大般若祈祷の解説でもありません。
今日書きたかったのは、護持会役員さんのご厚意が身にしみるほど有り難かったこと。
この法要にあたり、役員さん数名の方より、事前にお電話をいただき「何か手伝えることはない?」とご連絡頂きました。この自発的な善意が本当にありがたく、うれしかった。
そして当日、多くの役員さんたちが受付や、甘酒(法要後に檀家さんに振る舞う)の準備や接待・片づけを手伝ってくださいました。
・・・この文章だけでは、ごく普通のことに聞こえるかもしれません。私が感激した理由が分からないでしょう。ちょっと回りくどいですが、聞いてください。
護持会(ごじかい)というのは、何度も書いているとおり、檀家さん全員でお寺を守り、維持していく会のことで、西光寺では現在26名の役員さんがいらっしゃいます。正直、昨年まで、まったく活動をしていなかった。
昨年末に12名の方に新たに役員さんになっていただきました。
当初、新役員さん方には「年に数回の会議に出席してください」とお願いをしました。
それはつまり、現状の護持会は、それ以外にはやることがなかったのです。唯一の役務は法要の受付なのですが、これも従来、同じメンバーがやってくださっていました。
では何故、別に増やさなくてもよさそうな護持会役員をこの時期に増員したかと言えば、これからのために、です。
これから、大本山の旅行や、写経会や落語会・お経を読む会などの行事を企画し、実施にご協力頂こうと思っての増員でした。
しかし、とはいうものの、今までずっと活動休止状態の護持会。
役員さんたちはもちろん、私の中でも、何をどのようにしていったらいいのか、不安な面もかなりあった。だからいきおい慎重にならざるを得ず、手探りで行事を企画し、まずは年に1~3個の護持会企画を実施していけたら、くらいのヴィジョンでありました。それで、これから2年くらいかけて徐々に活動のテンポを上げていけたら、と思っていました。(それにいきなりアクセル全開!!では、ついていく檀家さんは当然のこと、自分も一度広げた大風呂敷をしまうのが大変・・・)
と言うわけで、当面は新役員さんたちにも受付業務をちょっとずつお願いしようか、くらいにのんびり思っていた矢先に、新役員さんたちからのお電話。だから、その善意がめちゃくちゃ嬉しかった。法要の準備や片づけからくる疲れも吹き飛ぶような、心のあたたかさを感じました。
ただ、逆に言えば、役員さんたちには申し訳ないことをした、と猛省もしています。
もっとちゃんと「受け入れ態勢」をきちんとしておくべきだった。せっかくの役員さんたちのご厚意に応えられなかった。控え室の確保、輪袈裟(わげさ・・・信徒が着けるお袈裟のようなもの)の準備、流れの説明、お茶すら差し上げられなかった・・・これは大反省。
でも、今回の失敗を活かし、次回へ。役員さんたちのご厚意が、私を奮い立たせてくれた気がします。なんだかやる気がメラメラ湧いてきた!よ~し、今年はがんばるぞ!
***オマケ***
昨日の法要。ウチの子、法要に参列した私と同じ年代の若手僧侶にむかって「パパ!パパ!」と言いながらくっついてった。しかも2人・・・。パパが3人もいるってこと???誰でもいいのだろうか(笑)
これは檀家さまの一年の無事・家内安全を祈る法要で、多くのお寺は正月に行っているもの。伝統的には、今から1300年ほど前から宮中で始められたとされています。西光寺は毎年、立春(2月4日)に行います。
「大般若」とは、西遊記でおなじみ、三蔵法師(この方のモデルと言われているのが実在の僧侶“玄奘”げんじょう、という名です)がインドから中国に持ち帰り、翻訳した600巻もあるお経のことです。
ちなみに三蔵(さんぞう)とは、本来、「経」・「律」・「論」の3つの事柄を指し、それぞれ“ブッダの教え”、“教団のルールブック”“ブッダの教えの注釈”なのですが、これら3つに精通した僧侶を尊敬の念をこめて“三蔵”と言います。尊称ですね。

さて、前日までとてつもなく寒かったので(当日もストーブをつけに本堂へ行ったら5℃だった)、果たして檀家さんはお越しいただけるのか?と内心心配していましたが、結果的に200名を超えるお檀家さんにお越しいただき、無事におつとめできました。
実は今日書きたかったことは、無事におつとめできたことでも、大般若祈祷の解説でもありません。
今日書きたかったのは、護持会役員さんのご厚意が身にしみるほど有り難かったこと。
この法要にあたり、役員さん数名の方より、事前にお電話をいただき「何か手伝えることはない?」とご連絡頂きました。この自発的な善意が本当にありがたく、うれしかった。
そして当日、多くの役員さんたちが受付や、甘酒(法要後に檀家さんに振る舞う)の準備や接待・片づけを手伝ってくださいました。
・・・この文章だけでは、ごく普通のことに聞こえるかもしれません。私が感激した理由が分からないでしょう。ちょっと回りくどいですが、聞いてください。
護持会(ごじかい)というのは、何度も書いているとおり、檀家さん全員でお寺を守り、維持していく会のことで、西光寺では現在26名の役員さんがいらっしゃいます。正直、昨年まで、まったく活動をしていなかった。
昨年末に12名の方に新たに役員さんになっていただきました。
当初、新役員さん方には「年に数回の会議に出席してください」とお願いをしました。
それはつまり、現状の護持会は、それ以外にはやることがなかったのです。唯一の役務は法要の受付なのですが、これも従来、同じメンバーがやってくださっていました。
では何故、別に増やさなくてもよさそうな護持会役員をこの時期に増員したかと言えば、これからのために、です。
これから、大本山の旅行や、写経会や落語会・お経を読む会などの行事を企画し、実施にご協力頂こうと思っての増員でした。
しかし、とはいうものの、今までずっと活動休止状態の護持会。
役員さんたちはもちろん、私の中でも、何をどのようにしていったらいいのか、不安な面もかなりあった。だからいきおい慎重にならざるを得ず、手探りで行事を企画し、まずは年に1~3個の護持会企画を実施していけたら、くらいのヴィジョンでありました。それで、これから2年くらいかけて徐々に活動のテンポを上げていけたら、と思っていました。(それにいきなりアクセル全開!!では、ついていく檀家さんは当然のこと、自分も一度広げた大風呂敷をしまうのが大変・・・)
と言うわけで、当面は新役員さんたちにも受付業務をちょっとずつお願いしようか、くらいにのんびり思っていた矢先に、新役員さんたちからのお電話。だから、その善意がめちゃくちゃ嬉しかった。法要の準備や片づけからくる疲れも吹き飛ぶような、心のあたたかさを感じました。
ただ、逆に言えば、役員さんたちには申し訳ないことをした、と猛省もしています。
もっとちゃんと「受け入れ態勢」をきちんとしておくべきだった。せっかくの役員さんたちのご厚意に応えられなかった。控え室の確保、輪袈裟(わげさ・・・信徒が着けるお袈裟のようなもの)の準備、流れの説明、お茶すら差し上げられなかった・・・これは大反省。
でも、今回の失敗を活かし、次回へ。役員さんたちのご厚意が、私を奮い立たせてくれた気がします。なんだかやる気がメラメラ湧いてきた!よ~し、今年はがんばるぞ!
***オマケ***
昨日の法要。ウチの子、法要に参列した私と同じ年代の若手僧侶にむかって「パパ!パパ!」と言いながらくっついてった。しかも2人・・・。パパが3人もいるってこと???誰でもいいのだろうか(笑)