2011年06月18日
ドゥ サン
【涙はかれず】
今日は東日本大震災発生から100日。一般的に曹洞宗では、追善供養としてこの100日(百か日)の節目に「卒哭忌」(そっこくき)という法要をします。”哭”(激しく泣く)を”卒”(やめる)と書きますが、被災地の方々の心中、またおかれた過酷な環境をお察しすると、とても”卒哭”ではいられません。
来週には、東三河曹洞宗青年会でも第3回目のボランティアが決まっています。それに向けて後方支援(物資)も考えています。
自治体(石巻市や南三陸町)が発表している「必要物資リスト」はどんどん変わっていて、数週間前なら考えられないような劇的な変化があります。同時に「必要十分に達している物資のリスト」をみるにつけても、逆に”状況が変化している”ことにリアルに気が付かされます。
【声明公演】
実は一昨日も、声明会(節やメロディのついたお経、歌ではありません)のお稽古がありました。月一のお稽古で東田のお寺で開催されています。20名の選抜チームで行くドイツ公演まで残すところ10日あまり。
きちんと触れていなかったし、私の言い方がうまくなかったので、もう一度書いてみたいと思います。
この法要はドイツ国内3か所で行われます。もともとヴィッテンベルグの宗教音楽祭に招聘されたのが本プロジェクトのきっかけです。(もちろん、20名は全員曹洞宗の僧侶です)
法要、と簡単に書きましたが、以上のように基本的に”音楽祭”ですので、法要と言ってもかなり「音楽性」を重視しています。一回の公演は以下のような流れ。
(*このブログはかなり同世代の同業者もご覧になっているようなので、あえて専門用語をちりばめます。時折、意味不明な単語も散見されますが、無視してください。)
*開演のナレーション
+++坐禅(大梵鐘・大開静のBGMあり)
*塔袈裟偈(=お袈裟を身に付ける前に唱える言葉)
+++歎佛講式
*歎佛(たんぶつ・・・仏を礼賛し、仏の名を唱えて礼拝する。”たんぶつ”とは、歌舞伎などで言う「演目」の1つ、とお考えください。今回はフルヴァージョンではなく、音楽性と宗教性を加味して、部分的に偈文が省略されている)
+++震災慰霊法要
*古式懺法鉢(シンバルのようなもの=ハツ・・・金偏に”跋”の右側の文字・と、太鼓で奏でる音楽。通常の懺法でやる前中分・後分とはまるで違う特殊な奏法)
*念誦・十仏名(念誦とは、これから祈る対象や意味を宣言すること。その後、仏の名を唱える。十仏名は出喪の時同様の節をつける)
*地蔵歎偈(音楽的に見て、これが一番メロディック。先生の言では”日本の民謡や童謡の基になったのがこれ”。だからとても日本的で、聞いててほっこりする。お地蔵さんの名と、その広大な功徳を称賛する句を唱えながら祈る。私が思うに、これが法要のトリを飾る白眉だと思う)
*古式懺法鉢
ごくごく簡単に以上のような流れで行います。主には3つのパートがあるのがわかります。「坐禅」と「歎佛」と「慰霊法要」です。
2番目の歎佛は、先生曰く「コンテンツに富んでいる」とのことで、実際、他の法要と比べても、様々な節回し(メロディー)のお経が盛り込まれているし、太鼓やハツ(実際はシンバルではないけれど、シンバルみたいなもの)といった楽器的なパフォーマンスもできるので、海外の公演では最適と判断されたようです。(だから観音懺法は候補から外れたらしい)
慰霊法要はさまざまな声明を組み合わせて作られたので、逆に言うと”常日頃から、これらの声明に慣れていないと、立て続けにこれだけのジャンルの声明を唱えるのは不可能だ”、とは先生の談。確かに、音楽的に見ても変化や緩急に富んでいるので、飽きない、というのは間違いないでしょうね。
実際、一昨日、初めてこのスペシャルヴァージョン法要の通し練習を見た若手僧侶は、「普通(一般的な感覚)にみて、すごくいい」と言っていました。頑張らなくちゃ。
今日は東日本大震災発生から100日。一般的に曹洞宗では、追善供養としてこの100日(百か日)の節目に「卒哭忌」(そっこくき)という法要をします。”哭”(激しく泣く)を”卒”(やめる)と書きますが、被災地の方々の心中、またおかれた過酷な環境をお察しすると、とても”卒哭”ではいられません。
来週には、東三河曹洞宗青年会でも第3回目のボランティアが決まっています。それに向けて後方支援(物資)も考えています。
自治体(石巻市や南三陸町)が発表している「必要物資リスト」はどんどん変わっていて、数週間前なら考えられないような劇的な変化があります。同時に「必要十分に達している物資のリスト」をみるにつけても、逆に”状況が変化している”ことにリアルに気が付かされます。
【声明公演】
実は一昨日も、声明会(節やメロディのついたお経、歌ではありません)のお稽古がありました。月一のお稽古で東田のお寺で開催されています。20名の選抜チームで行くドイツ公演まで残すところ10日あまり。
きちんと触れていなかったし、私の言い方がうまくなかったので、もう一度書いてみたいと思います。
この法要はドイツ国内3か所で行われます。もともとヴィッテンベルグの宗教音楽祭に招聘されたのが本プロジェクトのきっかけです。(もちろん、20名は全員曹洞宗の僧侶です)
法要、と簡単に書きましたが、以上のように基本的に”音楽祭”ですので、法要と言ってもかなり「音楽性」を重視しています。一回の公演は以下のような流れ。
(*このブログはかなり同世代の同業者もご覧になっているようなので、あえて専門用語をちりばめます。時折、意味不明な単語も散見されますが、無視してください。)
*開演のナレーション
+++坐禅(大梵鐘・大開静のBGMあり)
*塔袈裟偈(=お袈裟を身に付ける前に唱える言葉)
+++歎佛講式
*歎佛(たんぶつ・・・仏を礼賛し、仏の名を唱えて礼拝する。”たんぶつ”とは、歌舞伎などで言う「演目」の1つ、とお考えください。今回はフルヴァージョンではなく、音楽性と宗教性を加味して、部分的に偈文が省略されている)
+++震災慰霊法要
*古式懺法鉢(シンバルのようなもの=ハツ・・・金偏に”跋”の右側の文字・と、太鼓で奏でる音楽。通常の懺法でやる前中分・後分とはまるで違う特殊な奏法)
*念誦・十仏名(念誦とは、これから祈る対象や意味を宣言すること。その後、仏の名を唱える。十仏名は出喪の時同様の節をつける)
*地蔵歎偈(音楽的に見て、これが一番メロディック。先生の言では”日本の民謡や童謡の基になったのがこれ”。だからとても日本的で、聞いててほっこりする。お地蔵さんの名と、その広大な功徳を称賛する句を唱えながら祈る。私が思うに、これが法要のトリを飾る白眉だと思う)
*古式懺法鉢
ごくごく簡単に以上のような流れで行います。主には3つのパートがあるのがわかります。「坐禅」と「歎佛」と「慰霊法要」です。
2番目の歎佛は、先生曰く「コンテンツに富んでいる」とのことで、実際、他の法要と比べても、様々な節回し(メロディー)のお経が盛り込まれているし、太鼓やハツ(実際はシンバルではないけれど、シンバルみたいなもの)といった楽器的なパフォーマンスもできるので、海外の公演では最適と判断されたようです。(だから観音懺法は候補から外れたらしい)
慰霊法要はさまざまな声明を組み合わせて作られたので、逆に言うと”常日頃から、これらの声明に慣れていないと、立て続けにこれだけのジャンルの声明を唱えるのは不可能だ”、とは先生の談。確かに、音楽的に見ても変化や緩急に富んでいるので、飽きない、というのは間違いないでしょうね。
実際、一昨日、初めてこのスペシャルヴァージョン法要の通し練習を見た若手僧侶は、「普通(一般的な感覚)にみて、すごくいい」と言っていました。頑張らなくちゃ。