2011年07月25日
子ども参禅会@永平寺に行ってきました。
遅くなってゴメンナサイ。
さる7月21日~23日の3日間、福井県にある大本山永平寺に行ってきました。
今回は、子ども参禅会のスタッフ(引率)として参加しました。
この参禅会は、今年で39回目(!)という大変に歴史ある(?)子ども参禅会で、毎年、曹洞宗東海管区教化センター(名古屋市熱田区にある機関)が主催しています。
参加するのは、ほとんどが一般のお子さんで、下は小学1年生から上は中学2年生くらいまで。今回はちょっと参加者数が少なくて40名ほど。かつては200名ほどの子供が参加していたそうです。(すごい)
同行のスタッフは教化センターの職員さん(全員僧侶です)4名と、私のような外部から参加の若手僧侶4名。他に数名の僧侶と添乗員さんなどなど。
さて、この記事ではこの旅行のサマリーを。次回の記事では参禅会を通して私が感じたことなどを書き留めてみたいと思います。
ちなみに、今回は写真をバシャバシャ撮ってきましたが、こうした写真は貴重かもしれません。なぜなら、観光で永平寺に行くと建物を写せるのみで、実際の研修風景とかは撮影できないからです。どうぞご高覧ください
[7/21(木)・1日目]
8:30教化センターがある熱田区圓通寺を出発。一路福井県へ。
バスの中でスタッフの紹介や、永平寺での注意点を説明します。
永平寺では私語を慎むべき3箇所(三黙道場、と言い、トイレ・浴室・食事の場所と決められています)の説明や、基本的な3つの手の所作(三進退、と言い、合掌・叉手=歩くとき ・法界定印=坐禅の時の手の組み方)を覚えてもらいます。
また開講式や食事の初めと終わりに読む短いお経なども練習します。
エンゼルランド福井にて昼食・自由時間(ここは広い芝生と遊具があり、プラネタリウムや南極の温度が体験できる建物を擁する施設。簡単に言えばココニコと自然史博物館を足してダウンサイジングしたような施設・・・ローカルネタですみません
)
エンゼルランドを出発し、永平寺門前の旅館、ほっきょ荘へ。
夕食後、近くのだだっぴろい駐車場でキャンプファイヤー。(永平寺はド田舎です。)キャンプファイヤーでは、専門のスタッフ(子供対象の体育教室や、子供の研修旅行を引率する専門の会社から2名の女性がスタッフとして参加してくれました)がゲームや踊りをリード。子どもたちは楽しそうでした。
終了後、就寝。
[7/22(金)・2日目]
起床。毎回行っているラジオ体操は雨天のため、できませんでした。朝食後、バスに乗車。
バスで15分ほど走ったところにあるカマボコ工場でかまぼこ作り体験。(これが結構おもしろい!)
その後、永平寺町の文化施設「四季の森文化館」へ。
ここは、公園と歴史民俗博物館があり、中でも永平寺にあった傘松閣という、絵天井で有名な建物も移築されています。
ここで勾玉(まがたま)作りと火おこし体験。そして昼食。

(火おこし体験)
昼食後はいよいよ永平寺へ。
13時ころに永平寺に到着すると、すぐに雲水(永平寺にいる修行僧)から宿泊の注意点や説明があり、終わって開講式。
子どもたちは、修行道場が醸し出す厳粛な雰囲気に押されたのか、それまでのはしゃいだ様子がなりをひそめました。
開講式後はすぐに坐禅指導。私たち若手僧侶が坐禅を1から説明します。最初は全くできなくても、この研修では全部で3回の坐禅があるので、自然にできるように。

子どもは体が柔らかいからなのか、心が素直なのか(たぶん両方)、非常に美しい姿勢で坐禅をします。上の写真、中々様になってますよね。

坐禅の後は掃除。修行僧が実際に毎朝掃除している山門(さんもん、永平寺の表玄関)を特別に掃除させてもらえます。これは修行僧でなければ絶対にできない、貴重な体験です。ただし、数十メートルある廊下を何往復もするので、実際かなりきつい
掃除後は入浴。その後、精進料理の夕食。夕食は薬石(やくせき)と言います。

よく勘違いされる方がいますが、修行僧はこんなご馳走は食べていません。朝はごま塩とおかゆとたくあん。昼と夜は所謂一汁一菜が基本です。
ただ、きちんと作法を守って食事をいただくのは修行僧と同じ。もちろん、一切の私語は禁止です。
夕食後に自分たちが寝る布団を自分たちで敷き、終わるとまた坐禅。段々慣れてきて、無駄口をたたかなくなってきます。
坐禅の後は法話と短い映画(と言っても、仏教関係のアニメ)。終わって就寝。

(布団ももちろん自分たちで)
[7/23(土)・3日目]
朝4時起床。(修行僧はもっと早いです)
身支度をして、法堂(はっとう)と呼ばれる本堂へ朝のおつとめに参ります。永平寺は山の斜面に建てられており、いくつもある堂宇の中で、法堂は一番上に位置するので、歩いて階段を上るだけで汗が噴き出、息が上がります。(思い起こせば、修行中は楽勝だったのに・・・身体がなまっています・・・反省)

(これが法堂。中は撮影禁止ですが、いつ訪れてもこの空気には圧倒されます。百聞は一見に如かず、ですよ!!)
朝のおつとめの後は、修行僧が永平寺の建物を案内・説明してくれます。


それが終わると朝の坐禅。元気の塊のような子どもたちも流石にちょっと疲れ&寝不足なご様子。
朝の坐禅の後には朝食。これを小食(しょうじき)と言います。

朝食が済むと、今度は3日間の感想文。やっぱりみんな「永平寺に行ったよ」とか「足が痛かった坐禅」といったタイトルが並びます。

閉講式をして、雲水さんや永平寺の先生(修行僧を指導・監督する僧侶)にお礼のご挨拶をして出発。
越前陶芸村へ向かいます。ここで陶芸教室。電動ロクロこそないものの、中々本格的で、子供たちの中には自分で作ったこの作品を夏休みの自由課題にして提出することもあるんだとか。なかなかしたたかですね(笑)
陶芸村を後にして昼食。ここからは一気に帰途につきます。
夕刻、また熱田の教化センターへ。
今回もけがや病気をする子がおらず、無事に戻ってくることができました。こうして円成できたのも、みんなで揃ってお経を読んだり、きちんと合掌してお参りしたお蔭かもしれませんね。
さる7月21日~23日の3日間、福井県にある大本山永平寺に行ってきました。
今回は、子ども参禅会のスタッフ(引率)として参加しました。
この参禅会は、今年で39回目(!)という大変に歴史ある(?)子ども参禅会で、毎年、曹洞宗東海管区教化センター(名古屋市熱田区にある機関)が主催しています。
参加するのは、ほとんどが一般のお子さんで、下は小学1年生から上は中学2年生くらいまで。今回はちょっと参加者数が少なくて40名ほど。かつては200名ほどの子供が参加していたそうです。(すごい)
同行のスタッフは教化センターの職員さん(全員僧侶です)4名と、私のような外部から参加の若手僧侶4名。他に数名の僧侶と添乗員さんなどなど。
さて、この記事ではこの旅行のサマリーを。次回の記事では参禅会を通して私が感じたことなどを書き留めてみたいと思います。
ちなみに、今回は写真をバシャバシャ撮ってきましたが、こうした写真は貴重かもしれません。なぜなら、観光で永平寺に行くと建物を写せるのみで、実際の研修風景とかは撮影できないからです。どうぞご高覧ください

[7/21(木)・1日目]
8:30教化センターがある熱田区圓通寺を出発。一路福井県へ。
バスの中でスタッフの紹介や、永平寺での注意点を説明します。
永平寺では私語を慎むべき3箇所(三黙道場、と言い、トイレ・浴室・食事の場所と決められています)の説明や、基本的な3つの手の所作(三進退、と言い、合掌・叉手=歩くとき ・法界定印=坐禅の時の手の組み方)を覚えてもらいます。
また開講式や食事の初めと終わりに読む短いお経なども練習します。
エンゼルランド福井にて昼食・自由時間(ここは広い芝生と遊具があり、プラネタリウムや南極の温度が体験できる建物を擁する施設。簡単に言えばココニコと自然史博物館を足してダウンサイジングしたような施設・・・ローカルネタですみません

エンゼルランドを出発し、永平寺門前の旅館、ほっきょ荘へ。
夕食後、近くのだだっぴろい駐車場でキャンプファイヤー。(永平寺はド田舎です。)キャンプファイヤーでは、専門のスタッフ(子供対象の体育教室や、子供の研修旅行を引率する専門の会社から2名の女性がスタッフとして参加してくれました)がゲームや踊りをリード。子どもたちは楽しそうでした。
終了後、就寝。
[7/22(金)・2日目]
起床。毎回行っているラジオ体操は雨天のため、できませんでした。朝食後、バスに乗車。
バスで15分ほど走ったところにあるカマボコ工場でかまぼこ作り体験。(これが結構おもしろい!)
その後、永平寺町の文化施設「四季の森文化館」へ。
ここは、公園と歴史民俗博物館があり、中でも永平寺にあった傘松閣という、絵天井で有名な建物も移築されています。
ここで勾玉(まがたま)作りと火おこし体験。そして昼食。
(火おこし体験)
昼食後はいよいよ永平寺へ。
13時ころに永平寺に到着すると、すぐに雲水(永平寺にいる修行僧)から宿泊の注意点や説明があり、終わって開講式。
子どもたちは、修行道場が醸し出す厳粛な雰囲気に押されたのか、それまでのはしゃいだ様子がなりをひそめました。
開講式後はすぐに坐禅指導。私たち若手僧侶が坐禅を1から説明します。最初は全くできなくても、この研修では全部で3回の坐禅があるので、自然にできるように。
子どもは体が柔らかいからなのか、心が素直なのか(たぶん両方)、非常に美しい姿勢で坐禅をします。上の写真、中々様になってますよね。
坐禅の後は掃除。修行僧が実際に毎朝掃除している山門(さんもん、永平寺の表玄関)を特別に掃除させてもらえます。これは修行僧でなければ絶対にできない、貴重な体験です。ただし、数十メートルある廊下を何往復もするので、実際かなりきつい

掃除後は入浴。その後、精進料理の夕食。夕食は薬石(やくせき)と言います。
よく勘違いされる方がいますが、修行僧はこんなご馳走は食べていません。朝はごま塩とおかゆとたくあん。昼と夜は所謂一汁一菜が基本です。
ただ、きちんと作法を守って食事をいただくのは修行僧と同じ。もちろん、一切の私語は禁止です。
夕食後に自分たちが寝る布団を自分たちで敷き、終わるとまた坐禅。段々慣れてきて、無駄口をたたかなくなってきます。
坐禅の後は法話と短い映画(と言っても、仏教関係のアニメ)。終わって就寝。
(布団ももちろん自分たちで)
[7/23(土)・3日目]
朝4時起床。(修行僧はもっと早いです)
身支度をして、法堂(はっとう)と呼ばれる本堂へ朝のおつとめに参ります。永平寺は山の斜面に建てられており、いくつもある堂宇の中で、法堂は一番上に位置するので、歩いて階段を上るだけで汗が噴き出、息が上がります。(思い起こせば、修行中は楽勝だったのに・・・身体がなまっています・・・反省)
(これが法堂。中は撮影禁止ですが、いつ訪れてもこの空気には圧倒されます。百聞は一見に如かず、ですよ!!)
朝のおつとめの後は、修行僧が永平寺の建物を案内・説明してくれます。
それが終わると朝の坐禅。元気の塊のような子どもたちも流石にちょっと疲れ&寝不足なご様子。
朝の坐禅の後には朝食。これを小食(しょうじき)と言います。
朝食が済むと、今度は3日間の感想文。やっぱりみんな「永平寺に行ったよ」とか「足が痛かった坐禅」といったタイトルが並びます。
閉講式をして、雲水さんや永平寺の先生(修行僧を指導・監督する僧侶)にお礼のご挨拶をして出発。
越前陶芸村へ向かいます。ここで陶芸教室。電動ロクロこそないものの、中々本格的で、子供たちの中には自分で作ったこの作品を夏休みの自由課題にして提出することもあるんだとか。なかなかしたたかですね(笑)
陶芸村を後にして昼食。ここからは一気に帰途につきます。
夕刻、また熱田の教化センターへ。
今回もけがや病気をする子がおらず、無事に戻ってくることができました。こうして円成できたのも、みんなで揃ってお経を読んだり、きちんと合掌してお参りしたお蔭かもしれませんね。
この記事へのコメント
お疲れ様でした!
僕だったら・・・
夜逃げするだろ~な~!
・・・で、泰明さんに捕まる・・・
そんな気がする・・・
僕だったら・・・
夜逃げするだろ~な~!
・・・で、泰明さんに捕まる・・・
そんな気がする・・・
Posted by お仏壇の分解クリーニング 夢助工房
at 2011年07月25日 17:04

教会学校のキャンプとどこか似ているような。。。僕も経験してみたい
Posted by kanegon
at 2011年07月25日 17:34

お疲れ様です!
いいなぁ、僕がやったことのないことばかりです。。。
坐禅の“ピシッ”もいいけれど(決してドMではない←)、
雑巾がけもいいなぁ、とふと思いました。
誰にも負けないんですよ、雑巾がけ(笑
質問です!!
・“入浴”ってありましたが、お風呂ってどんな感じなんですか?
・修行僧は朝4時起床よりも早いって、一体、何時に起きるんですか?
・小食 の写真で、子どもたちは何を真剣に見ている(読んでいる?)のですか?
(ほんとは、一度にいくつも質問するのはよくないですね、すいません…)
いいなぁ、僕がやったことのないことばかりです。。。
坐禅の“ピシッ”もいいけれど(決してドMではない←)、
雑巾がけもいいなぁ、とふと思いました。
誰にも負けないんですよ、雑巾がけ(笑
質問です!!
・“入浴”ってありましたが、お風呂ってどんな感じなんですか?
・修行僧は朝4時起床よりも早いって、一体、何時に起きるんですか?
・小食 の写真で、子どもたちは何を真剣に見ている(読んでいる?)のですか?
(ほんとは、一度にいくつも質問するのはよくないですね、すいません…)
Posted by 志穏 at 2011年07月25日 21:44
>夢助さん
大丈夫ですよ!子供でもできるくらいですから(笑)でも毎日なら大変でしょうね・・・。
>kanegon師
やはりそうですか!教会のキャンプもどんなふうにされているのか、とても興味があります。逆に参加してみたいです!
>志穏さん
志穏さんにとって、かなり魅力的でしょうね!実際、かなり貴重な体験もできていると思いますし。
ご質問のお答えです。
1.お風呂は普通の旅館にあるようなお風呂です。15~20名くらいが一度に入れるお風呂が2つあり、ここは参籠者(=永平寺に宿泊する一般の方)用のお風呂になっています。(基本的に修行僧は別のお風呂)
2.季節によって違いますが、基本は3:30です。(厳冬期は4:30)
ですが、これは言うなればモーニングコールがこの時間というだけなので、実際は3:10くらいには起きるでしょうか。
それから、役によっては(たとえば朝食を作る係とか)その2時間前、つまり1:30に起きて作業することもあります。(朝起きる、という時間ではないですよね・・・)ホントの話です。
3.良いご質問ですね。これは食事の前の短いお経を読んでいるのです。箸袋になっていて、ここの裏に「食事をいただく前」と「食事をいただいた後」に読む短いお経が書かれています。
ご質問いただけるのは、本当にありがたいです。どうぞご遠慮なさらず、気に成ったら気になった時にお聞きください。
大丈夫ですよ!子供でもできるくらいですから(笑)でも毎日なら大変でしょうね・・・。
>kanegon師
やはりそうですか!教会のキャンプもどんなふうにされているのか、とても興味があります。逆に参加してみたいです!
>志穏さん
志穏さんにとって、かなり魅力的でしょうね!実際、かなり貴重な体験もできていると思いますし。
ご質問のお答えです。
1.お風呂は普通の旅館にあるようなお風呂です。15~20名くらいが一度に入れるお風呂が2つあり、ここは参籠者(=永平寺に宿泊する一般の方)用のお風呂になっています。(基本的に修行僧は別のお風呂)
2.季節によって違いますが、基本は3:30です。(厳冬期は4:30)
ですが、これは言うなればモーニングコールがこの時間というだけなので、実際は3:10くらいには起きるでしょうか。
それから、役によっては(たとえば朝食を作る係とか)その2時間前、つまり1:30に起きて作業することもあります。(朝起きる、という時間ではないですよね・・・)ホントの話です。
3.良いご質問ですね。これは食事の前の短いお経を読んでいるのです。箸袋になっていて、ここの裏に「食事をいただく前」と「食事をいただいた後」に読む短いお経が書かれています。
ご質問いただけるのは、本当にありがたいです。どうぞご遠慮なさらず、気に成ったら気になった時にお聞きください。
Posted by 泰明@西光寺
at 2011年07月26日 14:50
